星読師のタラ・有明(ありあけ)と申します。 わたしは長いあいだ、人の運命をさまざまな角度から見つめ、検証を重ねてきました。その結果、「星のめぐり」は人の人生に大きく影響を与えている、と確信するようになりました。ただし、星が示すのは結末ではなく、舞台です。 多くの人は占星術を「占い」として利用していますが、私は、未来の予測や吉凶の判断ではなく、人生の道しるべとして占星術を活用するほうが、結果として本人の幸せのために有意義であると考えています。 この連載では、鑑定のかわりに星が見せてくれる景色と、そこで人がどう生きるかについて書いていきます。 「決まっている」のか、「決まっていない」のか はじめに、いちばんよく受ける問いから始めましょう。 星の配置で、人生は決まっているのですか? わたしの答えは、 「決まっていることと、決まっていないことがある」です。 曖昧に聞こえるかもしれませんが、星読みでは、この二つがはっきり分けて考えられています。「配置」と「運勢」の違いです。 配置は「地形」、運勢は「季節」 生まれた瞬間の星の並びを、「配置」と呼びます。これは、その人が生まれ持つ地形のようなものです。高い山がある人、深い谷がある人、広い平野を持つ人。地形は、生涯変わりません。 一方、「運勢」とは、その地形の上をめぐる季節のことです。星は順番に主役を交代しながら、人生の時期ごとに、前面に出る性質を変えていきます。春のように物事が芽吹きやすい時期もあれば、冬のように、静かに根を張るしかない時期もあります。細かく見ていくと、天候が乱れやすい時期もあれば、干ばつが続くような忍耐の時期もあります。 同じ地形でも、季節が変われば、見える景色はまるで違います。雪に覆われた山も、夏には緑に包まれます。 「あの人は昔と人が変わった」と感じるとき、実は、その人の地形が変わったのではなく、巡ってきた季節が変わっただけ、ということが少なくありません。 決まっていること、選べること では、決まっているのは何でしょうか。 それは、地形と季節が巡る順番です。どんな谷や山を持って生まれたかは自分では選べません。いつ冬が来て、いつ春が来るかも、「配置」と「運勢」によっておおよそ決まっています。 選べるのは、その地形と季節の中で、自分がどう動くかです。 厳しい冬をただ耐えるのか。雪の下で春に向けて根を伸ばすのか。谷の底から空を見上げ続けるのか。同じ冬を過ごしても、人によって、辿り着く春はまったく違います。 これまで見つめてきて、強く感じるのは、同じような重さの試練を抱えていても、それに向き合う人と、目を逸らし続ける人とで、数年後の景色が大きく分かれる、ということです。星は舞台を用意しますが、その上で何を演じるかという台本は、最後まで本人の手に委ねられています。 同じ山に、二度登る もうひとつ、書いておきたいことがあります。 地形は変わりませんから、一度向き合った課題は、季節が巡れば、また現れます。ですが、それは同じ試練の繰り返しではありません。 同じ山に二度登る、と考えてみてください。一度目に登った経験がある人は、二度目には、違う景色を見て、違う場所でつまずき、違う高さまで辿り着きます。山は同じでも、登る人が変わっているからです。課題は、罰としてではなく、螺旋階段のように、少しずつ高い場所から同じ景色を見直す機会として、巡ってきます。 星が示すのは、結末ではなく傾向 ここで、正直に書いておきます。星読みは、未来を言い当てる道具ではありません。星が示すのは、「この時期は、こういう方向に動きやすい」という傾向です。出来事の日付や結果までは、星だけでは決まりません。人との出会い、環境、本人の選択といった、星の外にある要素が、いつも大きく関わっています。 ですから、わたしは星の配置を、運命の判決としては読みません。自分の地形を知るための地図のように使うものだと考えています。地図があっても、歩くのは自分です。けれど、地図があれば、無理に崖を登らず、迂回する道を選ぶこともできます。 重要なのは「歩き方」と「歩く方向を決める自分自身の心持ち」なのです。 今日の持ち帰りに、三つの問い 最後に、三つの問いを置いておきます。答えは、ここに書かなくてかまいません。 一、なぜか、同じことで悩んでいませんか。 二、その悩みの原因を、自分は「外」に探していますか。それとも「自分の傾向」に探していますか。 三、もし今が「冬」だとしたら、雪の下で、何の根を伸ばしていますか。 次回は、「渇望と願いのちがい」について、書きたいと思います。
生きる
TARA・有明の星読み幸福論:第1回 星の配置と運勢について
星の配置で、人生は決まっているのでしょうか。答えは「決まっていることと、決まっていないことがある」。生まれ持つ「地形」と、めぐってくる「季節」。その違いが分かると、いまの悩みの見え方が変わります。星読師タラ・有明の連載、第1回です。